舌下免疫療法とは
アレルゲン免疫療法のひとつで、少量のアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)を含んだ錠剤を舌下に置いて、ある程度口に馴染ませてから飲み込むというアレルギーの根治療法となります。
対象となるのは、スギ花粉による花粉症の患者様と室内塵ダニアレルギーの患者様で、前者の場合はシダキュア、後者の場合はミティキュアの舌下錠が処方されます。同療法の対象は5歳以上で、保険適用となります。
いずれを投与するにしても3~5年の投与期間は必要で、効果の有無を判定するのにも1~2年かかることもあります。また完治に至らなかったとしても長期寛解までいくこともあります。さらに舌下免疫療法によりぜんそく症状も軽減されます。ちなみに舌下免疫療法の有効率は約80%と言われています。
服用方法ですが、1日1回の投与で、服用の際は舌下でⅠ~2分間程度保持してから飲み込むようにします。また服用時の注意点として、舌下錠を飲み込んだ後、5分間は一切の飲食をしない、服用後2時間は激しい運動や入浴は避けるといったことは守ってください。
最初は、微量のアレルゲンを含む錠剤から服用していき、ある程度慣れていくと一定量を含んだ錠剤を服用していきます。初めて服用する場合は、当院で服用し、重度な副作用が出ないかを確認していきます。
問題がないと確認されたら、ご自宅での服用となります。開始時期につきましては、スギ花粉の場合は、飛散時期を避けて行います(6月~12月)。ダニ・ハウスダスト舌下免疫療法の場合に1年中開始可能です。治療中は、定期的に通院していただく必要もあります。現状を報告していただく必要もあります。
以下の項目に該当する方は、舌下免疫療法は行いません。
- 気管支喘息が重症な患者様
- 妊娠中の方
- 自己免疫疾患や免疫不全症などの方
- 免疫抑制剤やステロイドを使用している方 など
副作用について
アレルゲンを服用していくので、副作用がいくつかみられることがあります。主な症状としては、口の中の浮腫やかゆみのほか、喉に不快感がみられることもあります。重大な副作用はアナフィラキシーです。
この場合、服用後30分以内に不整脈や頻脈といった循環器症状が出た、意識が混濁している、呼吸器症状(声がれ、ゼーゼーする呼吸音、咳、呼吸困難 など)がみられます。 胃痛や吐き気といった消化器症状が持続するという場合は、ただちにご受診するようにしてください。